治療について

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トップページ  治療について  男性不妊症の診療・検査について

痛みを伴うような検査ではありません。

直近のWHOの調査(1998)では、不妊症のうち男性に何らかの原因があるのは48%であることがわかっています。つまり、その頻度から考えると女性と男性は同時に診療を進めることが貴重な時間を無駄にしないためにとても重要なことであると考えられます。ARTセンターでは、初診時に精液検査、診察とエコー検査、血中ホルモン採血を行っていただきます。痛みを伴うような検査ではありませんので、どうぞ安心して受診してください。ホルモン値以外の検査結果は当日中にお伝えしています。

男性不妊検査の内容

精液検査

原則3日間の禁欲期間をおいて、体調の確認後に採精室にて精液を採取していただきます。結果は約30分でわかります。

診察

下腹部などの視診と触診が中心です。できるだけ脱衣しやすい衣服でお越しください。

エコー検査

主に精巣の様子や精索静脈瘤の有無などを調べます。基本的には痛みを伴いません。

採血検査(血中ホルモンほか)

精子形成に重要な働きを担う男性ホルモンであるテストステロンや下垂体ホルモンなどを調べます。手術は最終手段と考え、可能な限りお薬による治療を優先するためにも必要な検査です。なお、採血項目により一部保険適応外の場合があります。

お薬による治療

血中ホルモンに異常がない場合は、漢方薬やビタミン製剤、抗酸化剤などの効果を期待して一定期間服用いただきます。男性ホルモンが少ない場合には、ホルモン剤の服用や自己注射を行います。

1.非ホルモン薬

精子のエネルギー代謝、DNA合成や酸化的ストレスに対する効果が期待されます。具体的には、漢方薬、循環改善剤、抗酸化剤などを組み合わせて服用していただきます。

2.ホルモン薬

血中の男性ホルモン値が低い場合には、造精機能障害や性機能障害の原因になります。この場合、当センターでは基本的にクエン酸クロミフェン(クロミッド®)を処方します。また希望者には下垂体ホルモン製剤の自己注射(健康保険適応)も可能です。ただし、非ホルモン薬での治療は有効率があまり高くないのが現状です。医学的には薬が有効かの判定には70日程度かかりますが、奥様の年齢などの条件を考慮してARTへの移行や併用の時期を判断します。

手術に関して

男性側の手術として代表的なものは精索静脈瘤の手術とTESEがあります。いずれの場合にも局所麻酔が可能ですが、追加の麻酔が必要になったり当初から全身麻酔を行う場合があります。手術前日には入浴していただき、できれば陰毛を短くカットしておいてください。当日は朝から絶飲食にしてください。普段から服用しているお薬があればあらかじめスタッフにお伝えいただき、当日もご持参ください。